その気配がありとあらゆる粒子に溶けて
ふたりに残酷な疑問符を投げかけてきた
ーきっといつかわかること
ーきっとずっとわからないこと
見つめる先に同じ黄昏が佇んでいても
ちがう心でちがう未来を描いていても
それにさえ、気づかずに
それでさえ、わかり合った
その気配がありとあらゆる粒子に溶けて
まだ解けそうにない疑問符を投げかけてくる
となりに座る君の声にならないその声を、僕はずっと聴いている
(写真 大泉美佳)
煮詰まった珈琲がとても美味しい。
煮詰まったほうがいいのかもしれない
全然煮詰まってない私がちょっと憧れるのだろう。
その煮詰まった姿に。
身体の流れと心の流れが別流にいるようで
それがこのところの不思議な体感。
心の在り処というのかな。
うーーん。
でもこのごろはこの「心」という言葉と事象にもしっくりきてなくて。
身体がギチギチで心はきちきちってなるのに
その奥の内臓は、ゆるやかなほがらかな風情というか。
その内臓の奥深くを心とは言わないように思えて。
どうでもいいことかな。
どうでもよくないけど。
いろいろなじぶんを、いろいろな私が眺めてる感じ。
あくせくきちきちぎちぎちを。
結果、ふんわり。(なんだかご迷惑をおかけしてるのに心苦しいのですが…)
でもちゃんときちきちもしてゆくから安心してください。
きちきちもしたいので…。(本音だけど言い訳のように)
こんなどうでもいい日記を書くのもいいね。
そうね、そうね。
7月19日発売のUKISSのリーダーであるスヒョンさんの
「I'll be there」に収録の「STORY」の歌詞を書かせていただきました。
ほんとうにUKISSの皆さんの「ん」の発音は美しくてどきっとします。
なんとも色気があって優しくて…。
STORYでも(日本語的にはなのかな、歌いにくいとされる)
「ん」の音が甘く身体の奥にじいいんと響く音で、大変うっとりします。
ああ、素敵!
ぜひお聴きください…❤️
川が澱むたび
心は血を吹き瞼の裏の涙はその血で濁った
ささやかな日常はささやかな苦痛に溢れ
つつがない日常はつつがない退屈で滾った
感受性はいつもこの胸を引き裂いた
感受性は自分であるより敵だった
(写真 大泉美佳)
嗚呼、まだみてみたいものがある
嗚呼、まだ触れてみたいことがある
ひかりの粒子が絶え間なく跳ねるこの空間に
嗚呼、まだ感じきることのできない世界がある
あまりある
あまりあるものに触れてその粒子の振動に
身体はいのちの願いと
とどまることができない性質への言い訳に波立つ
あまりある
あまりある感じきることができない世界に浸されて
嗚呼、きぼうが胸の奥にまたひらいている
(写真 大泉美佳)
なんにもなく
眠い時間がひたすら続いてるこの頃
重怠い影に引きずられてるみたい
眠りに手を引かれ
あっけなく眠りとともにし
ふと目覚めると希望めき
その希望に沿ってあれこれして
また眠りに手を引かれ
ときに眠りに挑み
しごとをいわれるものたちをかんがえ
はたと気づけば
さっきまでの希望が
10年ほど前の希望のように目の前にあり
とてもこわくなり
次の眠りを心待ちにしたり、してる。
目覚めの悪い息苦しい夢でも
いまの手がかりになる感じはどこか楽しい
夢はとても感情的で
自分のなかにこんな感情が行き場を失っていたのかと
はっとするのはどこか楽しい。
カレンダーをめくる嬉しさは達成感
今年もここまでこれた。
この「ここまでこれた」感じは夕飯は家にあるものでなにか食べようという
家に「なにか」がそれなりにある暮らしができているという達成感のこそばゆさとも似てる。
午後に近い空き地で
夏に向かう草たちと
小さな花が揺れていた。
花を歩きながら数えて
そのひとつひとつの花に
風のような優しさを覚えたのだけれど
もしいまが夜中で
私を埋め尽くすようにこの花たちが咲いていて
人間と呼ばれる存在が私一人だったらと想像したら
花たちの好奇の目や
異物を排除するようなざわめきが怖くなり
どこまでも耳を塞ぎたくなった。
ああここは私の住む世界だと
私はどこかあぐらをかいているのかもしれないと、想った。
そして言い訳のように
誰が決めたわけでもなく誰のものでもない世界に
私はもっと溶けるだけのなにもない存在でいたいだけなんだと
視線を断ち切るかのように呟いて
その花たちから逃げるように駅へ向かった…んだった。
つい数時間前のそんな出来事も今の今まで
すっかり忘れていた。
twitterに不意に流れてきたあの花を見るまでは。
ほんと。
花ってあけすけ。
君の住んでいるその場所は、君の住むべき場所じゃない。
もう、薄々気がついているんだろう?
夜明けというのは少し肌寒く、夜明けというのはやはり静かだ。
だから、仕方ない。無いものや過去のあれこれに翻弄される。
ー過去に、未来を受け渡たさない。
そうだ、わかるだろう?
住む場所が変わるなら、生き方も、ルールも変わる。
思い悩むな。答えはないんだ。
水たまりに映った虹をみつけてあわてて空を見上げた
ほんとだ虹はやんわり遠いその場所にあった
なぜだか僕には水たまりの虹のほうがほんものに見えた
小さくてすぐそばにある水たまりの虹のほうがほんものに見えたんだ
ーなにがほんものかはじぶんが決めるものさ
どこからともなく聴こえた声に誘われてもう一度空の虹を見上げる
あ、さっきより空の虹がずっと近い
さっきよりもずっと空の虹もほんものだった
この現実は誰のものなのか
この現実は誰かのためのものなのか
誰かの為に生きたいと願うことは
誰かの為に死にたいと生きることなのだろうか
手にした命を生きるのか
与えられた命を生きるのか
朧月は現実を生きろとだけ言う
現実を生き抜いた先で
誰の為に生きたのかはわかるのだ
まだこの命にも、その先がある