TVアニメ BLOOD-C のレビュー

4.5/5 投稿者: ペル - 投稿日: 2011/11/08

戦闘中の動きを非常に丁寧に追っていて、そこだけでも観る価値は有ります。

話の大筋は女の子が夜な夜な太刀を振り回して異形のものと闘う程度ですが、
判りやすい伏線として、「楽しげな日常は果たして幸せな現実を保証しているのだろうか?」という、戦後日本が高度成長に邁進してきたその先の、低成長ながら高止まりしている日常に明確な問いを発するものです。

このストーリーに影を落としているものが何かは、放映当時なら非常に明らかです。
ラストは映画へのつなぎでありあざといですが、主人公の恨みは今の日本を生きる大多数の人間が日々募らせているものに他なりません。

一般民に抑もの始めから忘却ばかりを推奨してきて、今更過去に何も行動しなかった責任を押し付けられても、事実を一切隠蔽してきた側に非が有るのは明らかです。怒りましょう。

現在でも事実は発表情報の数段先に有り、それを察知している一部の方々は炭鉱のカナリアの役を負わされて命の危険にさえ晒されています。