投稿者: ペル - 投稿日: 2011/08/04
世界観もシナリオも演出も最高。よくこんな話を創れたものです。
大枠で典型的な反ユートピアと貴種流離譚など古典的な型に沿ってはいても、manglobe作品に共通する神経のゆき届いた台詞運びで、細部の造り込みまで充分に味わえます。
演出には「serial experiments lain」など他の作品の影響が感じられますが、物語に充分沿っているので何の違和感もありません。
「STAR TREK」などSF好きな方々なら大好物でしょう。清濁あわせ飲むのが当然って位に人間や社会への関心が高い人は、この演出でもついていけると思います。
最終話は実にfirstガンダムの本歌取りとして読ませている演出です。その線でも読ませつつ、本来の文脈でも複雑な話をきっちりと締めくくっています。
作画は、ロムド市民など徹底的に手を抜いている所と、ロムドドームの外殻やセンツォン号の航行など 3DCG で美しく描いている所とメリハリがしっかりついています。
メリハリの意図がはっきる判るので精彩一辺倒よりはアニメとして親切ですが、それでも人物をもう少し細かく描いて欲しかった所は多々あります。
ピノなど表情豊かな人物の表情を一貫して違和感なく描いているのは良いです。
音楽はOP・EDが素晴らしい。
BGMは別段印象にありません。
最近の作品だと音楽が付くような場面にも声の演技を尊重してそんなに音楽が付いてなかったと記憶してますし、荒涼たる大地を吹きすさぶ風が印象に強く残ります。
漫画版はアニメ本編の脚本陣が原作であるので、サイドストーリーであっても造りが良いです。